マスゴミなんて呼ばないで!【おかしなスポーツ新聞事情】

スポーツ新聞記者が紙面に載らない裏話を書き綴ります

なぜマスコミは家にまで押しかけるのか?浅田真央さんの実家直撃から思うこと。

前回書いた千葉の事件に続き、またもマスコミが批判される記事を発見しました。

 

それはある週刊誌が先日引退を発表したフィギュアスケート浅田真央さんが、201

1年に亡くなった母親の墓前に引退の報告に訪れる前に実家で直撃し「真央、母の墓前

に引退を報告」といった感動仕立ての記事です。

 

真央さんは先日行われた引退記者会見の席で、思いを丁寧に、話していました。

 

トリプルアクセルに言葉をかけるとしたら?」といった難解な質問にも、「なんでも

っと簡単にとばせてくれない

 

の?」と100点満点の解答をするなど、多くの人の心を打った会見でした。

 

では、なぜそんな会見があったにもかかわらず、まだマスコミは真央さんを追いかけ回

すのでしょうか。

 

その理由はただ一つ。

 

社内へのアピールです!!!

 

新聞も雑誌もテレビも含めた報道者が、最も力を注ぐのは、自分だけが持っている情報

を世間に出すことです。

 

例えば真央さんと個人的に親交が深く、引退前に独占インタビューなどが取れれば最高

ですよね。

 

しかし近年では、各アスリートもマネジメント事務所と契約し、情報のコントロール

行うようになりました。

 

特定のメディアをひいきするより、広く情報を発信することで、選手の価値を高めてい

こうという考え方ですね。

 

そのために、各メディア独自カラーを出しにくくなっているんです。

 

でもそんな報道規制の網をかいくぐり、独自の取材を行うことが出来れば、やはり社内

での評価は上がります。

 

たとえその取材に、たいした内容、深みがなかったとしても「努力を買う」といった風

潮があります。

 

だから記者は、他の取材者が行きにくいと思う場所、自宅やお墓といったプライベート

な空間にも、入り込んでしまうのですね。

 

記者には例えば営業職の売り上げのように、はっきりと数字で評価される指標がありま

せん。

 

そういった背景が、無謀で、常識を逸脱したような取材方法へとつながるんですね。

 

そういう私も、若手時代には取材対象者の自宅まで押しかけた経験があります・・・

 

追い返されたこともありますし、そこで自宅に招き入れられ、丁寧に取材を受けていた

だいたこともあります。

 

しかし今感じることは、やはり取材対象者ともある程度の信頼関係を築かないと、いい

記事は書けないということです。

 

今回の真央さんの記事は、会見後としては初の肉声ということで、需要はあったのかも

しれません。

 

しかしこれば、本質には一切切り込んではいません。

 

若手の記者が、功を焦って突撃取材を繰り返し、そこで関係構築に失敗して「出入り禁

止」になった例もよくあります。

 

長い目でみれば、そんな記者がいい原稿など書けるはずがありません。

 

取材する立場としては、遠慮はいらない、でも配慮は必要だ。

 

今回のブログを書いていて、若手時代に先輩に教わったそんな言葉を、もう一度思い出

すことになりました。